約1年間TOEICの勉強をしながら、「使える英語力って何なんだろう?」と模索する日々が続きました。また、テクニックに走りがちな勉強に飽きてしまって、勉強手段を思い切って変えてみました。やり直し英語の2年目はNHKラジオ英語講座中心で進めてみましたので1年間続けてみて思ったことを書き留めます。
ラジオ講座の良いところ
- 自分に合ったレベルから始められる
- いつ始めても良いし、いつでも止められる
- 教材の質が高く、コスパも良い
- ラジオだけではなく、ストリーミング音源がスマホ等で聴ける
どのくらい英語力が上がるのか
結論から言えば、聞き流すだけでは大した力もつかず、勿体無いと思います。教材の良さを活かし切るには音読の繰り返しや暗唱が必要なのではないでしょうか。そのレベルまで徹底すれば、必ず英語力の向上に役立つ講座が揃っています。
自分の場合は、徹底し切れませんでした。いくつかの講座を受講しましたが、聴く中心になってしまい、音読・暗唱を徹底することができませんでした。
自分なりに成果と考えていること
- 多読多聴にはなった
- 英文法の学習は進んだ
- 実践ビジネス英語にトライしたことでより難しい英語に挑めるようになった(ヒアリングもリーディングも)
何のテストも受けず、楽しんで勉強しているうちに1年間が終わってしまいました。自分なりに工夫もしましたし、間違いなくレベルアップはしていると思うのですが、胸を張れるレベルには至りませんでした。
受講した講座と個人的おすすめ度
私が受講した講座は全部で7本です。受講した感想をまとめてみました。
1.ラジオ英会話
昨年、爆発的な人気となった講座です。この講座については、色々な方が書かれていますのでそちらに譲ります。自分は分厚い文法書に取り組んだことがなく(高校生の頃、勉強しない子だったので、、、、)、英語のやり直しに苦労しているのですが、この講座が英文法をわかりやすく説明してくれたおかげで、英文法の理解は少し進みました。
なにせ、文型の理解すら怪しくてTOEICを受けてましたので、、、。
この講座の勉強法
録音して何度も聴き込みました。それでも不十分だと思い、試行錯誤しました。ノートに書いてみたり、カードに書いてみたり、音読を繰り返してみたり、、、。
私は徹底できませんでしたが、この講座を暗唱するだけでも相当力がつくのではないでしょうか。ちなみに、私のようなスペックの低い頭では、50回くらい音読しても暗唱に行き着きませんでした。100回くらいなのかな、、、。
2.入門ビジネス英語
半年講座です。受講した講座の中で、一番取り組みが浅かった講座です。ビジネス英語の必要でない方なら、優先順位は低いかもしれません。
また、ビジネス英語に入るにしても、もうワンステップ簡単なものから始めた方が良さそうと思いました(ペラペラビジネスとか)。
自分の中では完全に多読多聴のつもりで聴いていた講座であり、この講座については多くを語れません。
3.英会話タイムトライアル
自分のアウトプット力の無さにもどかしい思いをする毎日でした。こういう講座を受け続けていると、英語学習の方向性に迷いが生じます。「自分は英語で何をしたいのか?」と。
もちろん、英語で話したい。
しかし、外国人とそうそう話す機会の少ない自分にとって、まず強化すべきは「読む」「聞き取る」力であって、その次が「書く」「話す」力だと思っています。
英語でインプットできる力をつけないと、アウトプットも無いと思ってはいるのですが、アウトプットの力を先につけたくなるのです。この講座のおかげで、3年目の英語学習は瞬間英作文からスタートすることになりました。
この講座の勉強法
もちろん音読・暗唱なのですが、日常生活で思い出して当てはめてみるという工夫が必要なのではないでしょうか。
応用が効かない覚え方なら、実際の会話では使えないと思います。
比較的簡単な英語で構成されているこの講座ですが、応用してはじめて意味があるとするならば、結構時間を掛ける必要のある講座だと思います。
もちろん、自分はそのレベルに到達していません。
4.エンジョイ・シンプル・イングリッシュ
半年講座です。多読の入り口に丁度良いレベルで作られています。ネックは和訳が無いため、意味取りにちょっと自信がない時に「もやっ」とします。
自分はナレーションを聞きながら、テキストを見て、物語の内容は大抵わかりました。この「大抵」というのが自分の場合良くなくて、わかったつもりになってしまうのです。
多読は、辞書を引かずに読めるレベルからガンガン読みなさい、と言われており、このテキストはちょうどいいレベルだと思うのですが、自分の読む力が上がっているように感じないのは、多分、このわかったつもりが良くないのだろうと思っています。
簡単なレベルから多読を始めようとすると、ラダーシリーズなどが思い浮かびます。しかし、何冊も購入すればコストも相応に掛かります。この講座は音源までついて気軽に始められますので多読にチャレンジしたい方にはおすすめです。本屋で手に取って「自分にはちょっと簡単かもしれない。」くらいの方が対象なのではないでしょうか。
逆に、辞書を引かないと読めないという方にはおすすめできません。
5.遠山顕の英会話楽習
この講座は、残り3ヶ月で唯一断念しました。内容ではなく、7本の講座を受け続けていることに限界を感じていたのです。半年講座が終了し、もう少し講座を絞ろうと考えた時に、自分のレベル・優先順位を考えての決断でした。
この講座は実践的な講座です。発音のつながり・イントネーション・リズムといったところも学ぶことができます。個人的には、月イチの英語で音楽を歌うコーナーが大好きでした。
6.高校生から始める現代英語
最初のうちは、週2回の講座でコスパ悪いんじゃない?と思っていました。
しかし、この講座のウリである「反訳トレーニング」をこなそうとすれば、この量で十分です。「反訳トレーニング」とは、日本語を見て英語に訳すトレーニングであり、負荷も掛かりますが達成感もあります。
暗唱の一歩手前というレベルでしょうか。音読を繰り返せば、反訳の仕上がりも早くなってきます。実際にニュース等で使われているものを教材としていますので、受験英語ではついていけない部分もあるのですが、そこも含めて自分に取り入れるつもりで取り組んでいました。
「音読」→「反訳」→「暗唱」という自分の中での英語の勉強の仕方が見えたのもこの講座のおかげだと思っています。そのとおりに全てがうまくいっている訳ではありませんが、、、。
7.実践ビジネス英語
個人的には、この講座が一番自分の成長を感じられました。
聴き始めた当初、「???」聴き取れず、意味もわからず、「自分のレベルに合わないな−。」と思っていました。しかし、食らいついていった結果、当初の抵抗感は全くなく、むしろ次のテーマは何なんだろうと楽しみな講座になりました。
最初は全く意味のわからなかったコンテンツが、題材によっては60%くらいは初見で聴き取れるくらいにはなりましたので、それなりにヒアリングの能力が上がったのでしょうし、この手の英文に慣れたのだと思います。まだまだ力不足なのですが。
この講座に一番時間を割きました。意味を取るのにも一苦労、英文も長いので音読にも時間が掛かります。反訳まで行き着かず、ひたすら音読をしていました。
この講座はこれだけでは終わりません。巻末には別途付録のプログラムや英作文の課題等があり、盛り沢山です。私は音読して、100%聴き取れるところまで行き着くのがやっとでした。
受講にあたり工夫したこと
- リアルタイムで聞くことを継続する自信がなかったので、ストリーミングを最大限活用した
- 一方で、これも投資と思い、録音可能なラジオを買って、タイマー録音し続けた
- ipadを持っていたので、テキストは電子版(Kindle)にした
- とにかく音読しまくった
NHKラジオさんは、太っ腹なことに、1週間の番組をストリーミングで提供してくれています。私は1週間遅れでそれを聴いていました。それでも聞き逃すことがあるので、録音ラジオはそのバックアップという位置づけです。
さらに、ストリーミングを録音して、MP3音源に残し、それを繰り返し繰り返し聴き続けました。毎週、ストリーミングの録音作業もある意味骨の折れることであり、この音源は大事な財産となりました。
また、たくさんの講座のテキストブックで机が散らからぬよう、電子版にしたのは正解だったと思います。ipadでもiphoneでもMacbookでもテキストを見ることができるのは何気に便利でした。
思わぬ副残物だったのは、欲張りな性格のせいか、聴くつもりのなかった基礎英語も1から3まで録音しつづけたのですが、「英語苦手だな、、、。』と言い始めた中学2年生の娘の勉強に役立っています。
反省したこと
- 講座を取りすぎて、やっぱり消化不良だった
- アウトプットの練習が定まらなかった
講座の中身は素晴らしいし、あれもこれもと思うところですが、たくさん同時進行させると、NHKラジオ講座しか取り組めませんし、一つ一つが雑になります。私はこれも多読多聴と自分に言い聞かせていましたが、雑に流しすぎると「これでいいのか、、、」と迷いが生じます。
「楽しく英語学習を続ける」ためには、色々試す『遊び』の余地も必要と思います。たくさん講座を取りすぎると、他の勉強への浮気ができません。これは精神上よろしくありませんでした。
講座を聞き続けていると、「何か成長しているのか?」と不安になります。成長の証はアウトプットだと思うのですが、聞き流し・音読だけではインプットが不十分に思えます。やはり、行き着くところは『暗唱』または『反訳』であり、途中から取り組み始めましたが、方法が確立せず、とても効率が悪かったです。ノートに書いてみたり、カードに書いてみたり、、、エクセルにしてみたり、、、
まとめ
NHKのラジオ英語講座の内容はとても素晴らしいです。これで英語がペラペラという声をあまり聞かないのは、途中で止めちゃった方が多いのではないでしょうか。
多分、講座の暗唱を続けるだけでも、相当なレベルになると思います。自分も出来ていないので、それをやれる方の凄さがわかります。
1年間受講を続けて、また飽きっぽい性格が災いし、別のことをやってますが、ラジオ講座のストリーミングは録音し続けています。というか、1年間聴き続けたラジオ講座の内容も完璧ではないので、復習をしたいとずっと思っています。
英語の基礎力をつけるために、NHKラジオ英語講座は十分に役立ってくれます。英語学習は長い道のりであり、学習の習慣化に役立ってくれると思います。